一般葬に参加されたことのある方なら、喪主の挨拶を見聞きしたこともあるでしょう。それでは家族葬の場合、同様に喪主は挨拶すべきなのでしょうか。
ここでは喪主の役割を解説するとともに、家族葬における喪主挨拶の必要性についてまとめました。挨拶をする際のマナーと使ってはいけない言葉、すぐに使える例文も合わせてご用意しています。
【目次】
まず、喪主とは遺族の代表となる人であり、お通夜や葬儀告別式における責任者です。葬儀を仕切る大事な役割を担い、以下もろもろの対応をすることになります。
・葬儀社選び
・故人の親戚や友人への連絡
・葬儀日時や内容の決定
・弔問客への挨拶
・僧侶の対応
・葬儀後のお礼 など
どんなお葬式にも必要な存在ですので、家族葬でも必ず喪主を決めなければなりません。喪主の決め方に厳密なルールはありませんが、以下の順に、該当する人から選ぶのが一般的です。
家族葬とは、家族や親族、故人がごく親しくしていた友人や知人などが参列して行う、小規模な葬儀をさします。
日頃から顔を合わせている家族のみで行う家族葬なら、喪主挨拶は省略してもかまいません。
しかし、滅多に合わない親戚や故人の知り合いも参列する場合は、喪主挨拶を行うことで故人の冥福を祈るとともに、弔問客への感謝の気持ちを伝えましょう。
喪主挨拶は基本的に2~3分、長くても5分以内に留めます。ご高齢の参列者にもきちんと聞こえるよう、しっかりと大きな声で話すよう心がけてください。
なお、喪主挨拶はメモなど台本を見ながら行っても問題ありません。メモは紙に書いたものを用意しましょう。
スマホのメモ機能は便利ですが、スマホを見ながら挨拶をすることに抵抗感を抱く参列者もいる可能性があるため、控えるのが無難です。
■繰り返し言葉
さまざま、いろいろ、ますます、わざわざなど、同じ言葉を繰り返す言葉です。不幸が繰り返し起こることを連想させるため使ってはいけません。
■続き言葉
引き続き、再び、重ねてなど、こちらも不幸が続いて起こることを連想させます。
■死を連想させる言葉
なくす、終わる、消える、忙しい(忙の漢字に「亡」が含まれるため)など、死を連想させる言葉は別の言葉に置き換えましょう。
■直接的な表現
病死、急死、自殺、死ぬなど直接的な表現は、弔問客に不快な思いをさせる可能性があります。
■仏式葬儀、神式・キリスト教式葬儀でNGとされる言葉
仏式では、迷う、浮かばれないといった言葉が成仏できないことを連想させます。また、天国も仏式の挨拶では用いません。
神式・キリスト教式では、供養、合唱、成仏などの仏式用語を使わないようにしましょう。
続いては、家族葬で喪主挨拶を行うタイミングを解説します。それぞれの場面における挨拶のポイントも簡単にまとめました。
1.僧侶が到着されたとき
お通夜にきていただいた感謝の気持ちを伝え、合わせてお布施をお渡ししましょう。
2.弔問客が到着されたとき
それぞれ到着されたつど、参列のお礼を短い言葉で伝えます。
3.お通夜の閉式時
僧侶が退場されたあと、滞りなく通夜を終えたことに対する感謝を伝えるともに、通夜振る舞いへの誘導や、お葬式の日時をお知らせします。
4.通夜振る舞いの締め
お通夜のあとに行う食事会です。家族葬では省略される場合もあります。
5.告別式での出棺前
お葬式を終え、故人を火葬場へ送り出す前に、最後のお見送りの挨拶をしましょう。
6.精進落としを始めるとき
火葬後の食事会です。葬儀告別式の終了を告げるとともに、故人の思い出に触れ、弔問客へのお礼を伝えます。
最後に、喪主挨拶で使える例文をまとめました。挨拶文を考える際の参考にしてください。
■僧侶が到着されたとき
本日はご多用の中、ご足労いただきありがとうございます。
予定どおり通夜を執り行いますので、何とぞよろしくお願いいたします。
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■弔問客が到着されたとき
本日はご多用の中お越しいただき、感謝申し上げます。
生前は◯◯が大変お世話になりました。
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■お通夜の閉式時
本日はご多用の中、父 ◯◯の通夜にご参列いただき誠にありがとうございます。
故人もこうして皆さまに見守られ、喜んでいることと思います。
故人に対し、生前に賜りましたご厚情に、心から感謝申し上げます。
葬儀は明日、◯◯(会場名)にて、午前◯時より執り行う予定ですので、何とぞよろしくお願いいたします。
なお、あちらのお部屋にてお食事のご用意がございます。故人を偲び、思い出話などできればと思いますので、どうぞお召し上がりください。本日は誠にありがとうございました。
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■通夜振る舞いの締め
皆さま、本日は◯◯のためにお越しいただき、誠にありがとうございました。
お陰さまで、本日は滞りなく通夜を執り行うことができました。
名残惜しくはございますが、夜も更けてまいりましたので、お開きとさせていただきたく思います。
明日の葬儀告別式は午前◯時より執り行いますので、何とぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。
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■告別式の出棺前
本日はご多用の中、◯◯の葬儀告別式にご参列いただき、ありがとうございました。
故人もこうして皆さまにお集まりいただき、喜んでいることと思います。
◯◯は生前、よき仲間に恵まれ、週末は毎週のように趣味の場へ出かけるほど充実した日々を過ごしておりました。一昨年、癌を発症し、2年間に及ぶ闘病生活の末、◯月◯日に息を引き取りました。
生前に賜りましたご厚情に対し、◯◯に代わり、熱くお礼を申し上げます。今後とも、故人の生前と変わらぬお付き合いをお願い申し上げ、お礼の言葉に代えさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
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■精進落としを始めるとき
本日はご多用の中、◯◯のためにお集まりいただき、誠にありがとうございました。
皆さまのおかげで、つつがなく葬儀告別式を執り行うことができました。
ささやかではございますが、精進落としのご用意をいたしましたので、どうぞごゆっくりとお過ごしください。
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※精進落としを締める際は、通夜振る舞いの締めの挨拶と同じように弔問客へのお礼を述べ、合わせて四十九日法要のお知らせをするとよいでしょう。
喪主挨拶は、故人と生前親しくしてくださっていた方々へ感謝を伝える、とても大切な挨拶です。家族葬での挨拶は一般葬ほどかしこまる必要ありませんが、喪主としての礼儀を尽くした挨拶を心がけましょう。
なにより重視したいのは、故人に「ありがとう」の気持ちを伝えることです。大阪府豊中市に本社をかまえる葬儀社、加納会館では「“ありがとう”の感謝を伝えるお葬式」を第一に考え、ご家族のご希望に沿ったご葬儀のお手伝いをしています。
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