一度でも葬儀に参列した経験がある方なら、祭壇に並ぶ供物や供花をご覧になったこともあるでしょう。
ここでは供物と供花の意味から、品物を選ぶ際の注意点、供物を贈る際に気をつけるポイントまで順番に解説します。
【目次】
供物(くもつ)とは、葬儀や法事の場において故人や仏さまへ捧げるお供えものです。仏教では以下の5つを「五供(ごくう)」と呼び、これらを基本の供物と考えています。
・香:お線香
・花:お花
・灯明:ろうそく
・水:きれいなお水、お茶
・飲食:果物、お菓子、缶詰など
供花(くげ/きょうか)は、上記の花に該当するものです。供物の種類のひとつであり、お花のお供えものを表すときに使います。
前述した五供の考え方は、仏教ならではのものです。宗派により供物や供花に適した品物は異なるため注意しましょう。
以下、宗派別に見る供物や供花の選び方と、マナー違反になる品物をまとめました。
■仏式
・供物
果物やお菓子など、故人が好きだったものを贈ります。「四つ足生臭もの」とされる肉や海産物は贈ってはいけません。
一般にお祝いごとの席で振る舞われることの多い日本酒も、避けたほうが無難でしょう。
・供花
白や黄色、薄いピンク色など落ち着いた色合いのアレンジメントを贈ります。花の種類はゆり、菊、カーネーションなどが一般的です。
生花でないといけないルールはないため、プリザーブドフラワーや造花でも問題ありません。関西では樒(しきみ)という花を贈る慣習もあるため、知識として覚えておくと役立ちます。
■神式
・供物
果物、お菓子を選ぶのが一般的で、仏式とは異なり海産物や日本酒もOKとされます。ただし、ろうそくやお線香は贈りません。
・供花
贈り方は仏式と同様でよいですが、白い花でまとめます。花は菊、ゆり、かすみ草などから選ぶとよいでしょう。
■キリスト教式
供物を贈る習慣がないため、供花として生花を贈ります。ゆり、カーネーション、スプレー菊などを用いたバスケットフラワーにメッセージカードを添えて、故人のご自宅へ贈りましょう。
色は白やピンク、薄い紫色など可憐な色が適しています。
上記の宗派を問わず、避けたほうがよい花は以下のとおりです。
・毒のある花
・棘のある花
・すぐ傷んでしまう花
・ニオイが強い花
→仏式では仏さまが香りを食べるとされるため、特に好まれません。
・花粉が出る花
→祭壇や参列者の服に花粉がつき、汚してしまう可能性があるため。
・鉢植えの花
→不幸が根づくといわれ、縁起がよくありません。
・ツルのある花
→ツルが絡まって故人が成仏できないという考え方があるため。
供物や供花は、葬儀を取り仕切る葬儀社へ手配するのが基本です。葬儀社なら供物に適さないものは選びませんし、宗派も把握しているため、安心して任せられるでしょう。
手配する手順は以下のとおりです。
葬儀社には依頼せず、自分で供物や供花を取り扱う店に注文する方法もあります。この場合、お通夜とお葬式を両方行う場合はお通夜の前に、お葬式のみ執り行う場合はお葬式の開始時間までにきちんと間に合うよう手配しましょう。
ただし、供物として適さないものを贈ってしまう可能性や、宗派の違いによるマナー違反を避けるためにも、葬儀社に依頼するのが安全でおすすめです。
また、自分で手配する場合も必ず事前に葬儀社へ連絡し、供物を贈ってもよいか確認してください。
供物や供花の手配は急ぎすぎてはいけません。危篤の連絡をもらっていたとしても、訃報を受ける前に手配するのは絶対にNGです。「故人の死を待っていたのではないか」と、遺族に不快な思いをさせてしまう可能性があります。
供物や供花は手配する前には、必ず遺族に確認をしましょう。近年は小規模な葬儀や家族葬が増えており、遺族が参列者からのお供えものを辞退するケースも多いです。
また、供物と香典はどちらか一方を贈ればよいとされています。ただし供物は故人へ、香典は遺族へという考え方もあるため、両方とも贈りたいと考えるなら贈ってもよいでしょう。
さて、供物を手配するとなると、なにを選べばよいのか迷ってしまうのでは。悩んだときは信頼できる葬儀社へ相談するのが安心です。
豊中市、池田市、箕面市でお葬式のお手伝いをする加納会館では、供物や供花のネット注文、FAXでの注文も承っております。お気軽にお問い合わせくださいませ。