葬儀の際に参列者が包むお香典について、細かい決まりごとやマナーがあることをご存じでしょうか。
失礼のない御香典の包み方や、渡し方の注意点をまとめました。仏式、神式、キリスト教式で異なる香典袋の書き方も解説します。
【目次】
御香典(おこうでん)とは、亡くなった方にお供えするお金のことで、お線香やお花の代わりに渡すものです。
昔は「香奠」という字で表され、お供えするのはお金ではなく、お米や野菜などの食料でした。お葬式を行うにあたり、親族や近隣の方々から持ち寄られた食料で、遺族は自分たちと葬儀の参列者の食事をまかなったとされています。
その後、明治時代から昭和初期にかけて、御香典をお金で渡す現代の形式が徐々に広まっていったようです。
御香典の金額相場は、故人と自分の関係で変わります。以下に故人との関係性から見る御香典の相場をまとめました。
・祖父母 1~3万円
・親 3~10万円
・きょうだい 3~5万円
・叔父叔母 1~3万円
・その他親戚 1万円
・友人、友人の家族 5千円~1万円
・ご近所の人 3~5千円
・勤務先の社員 3千円~1万円
・勤務先の社員の家族 3~5千円
・取引先関係者 5千円~1万円
御香典の金額は、年齢を重ねるほど多めに包むのが一般的です。たとえば親への御香典なら20代は3万円、30代は5万円、40代以降は10万円がそれぞれの金額相場となっています。
御香典の包み方や渡し方には、細かい決まりごとや注意点があります。マナーを守り、遺族に失礼なく御香典を渡せるように努めましょう。
・御香典の金額について
3万円、5万円など奇数にすること。偶数は「割り切れる=縁が切れる数字」とされ、縁起がよくありません。4、9など世間一般に不吉とされる数字も避けるのが無難です。
・御香典の包み方
御香典を包む香典袋は、コンビニや文房具店で購入できます。急に葬儀への参列が決まっても比較的手に入れやすいでしょう。
お札は、香典袋の表面に対して裏向きに入れます。新札は使わないようにし、手元に新札しかない場合は折り目をつけてから使ってください。
・香典袋の書き方
表面は薄墨の毛筆や筆ペンで書きましょう。薄墨には「故人の死を悲しみ、涙で墨が薄まった」という意味があります。
なお、内袋は黒いペンで書いて問題ありません。
・ふくさの使い方
香典袋はふくさに包んで持参します。ふくさは紫色、紺色、灰色などお悔やみ用ものを使いましょう。香典袋の包み方は以下のとおりです。
1. ふくさを広げてひし形になるよう置き、中央に香典袋を置く。
2. 右、下、上の順番にたたみ、最後に左をたたんで右側の辺に巻き込む。
※左を先にたたむのはお祝いごとの包み方なのでNGです。
・御香典を渡すタイミング
お通夜や葬儀告別式の受付時、ふくさから香典袋を取り出し、表書きが相手に読める向きで「この度はご愁傷さまです」と、挨拶しながら渡しましょう。
・御香典を辞退されたら
近年は家族葬など葬儀の形も多様化しています。御香典を辞退された場合は、持参しないのがマナーです。
香典袋の表面上段の書き方は、宗教や宗派により異なるため注意が必要です。
・仏式:御香典、御香料、御霊前、御悔
※浄土真宗なら御仏前とします。
香典袋は黒白もしくは双銀の、結び切りの水引がついたものを使いましょう。
御霊前は「故人の霊の前」という意味です。仏教では、人が亡くなるとしばらく霊の姿で現世に留まり、四十九日を迎えると成仏して、仏さまになるとされています。
ただし、浄土真宗では故人がすぐ仏さまになるという考えがあるため、葬儀に持参する御香典にも御仏前と書かなければなりません。
・神式:御榊料、御玉串料、御饌料、御神前、神饌料
香典袋は白無地のものを用います。
・キリスト教式:御花料
※カトリックなら御ミサ料、プロテスタントなら献花料、忌慰料と書いても構いません。
香典袋は十字架やユリが描かれたもの、もしくは白無地のものを選びましょう。
香典袋の表面下段には、自分の氏名を書きます。勤務先の関係者として参列するなら会社名、役職、氏名を記入してください。
内袋表面には「金参万円也」など旧字体で金額を記入し、裏面には郵便番号、住所、氏名を書きます。最後にもう一度書き忘れや誤字がないか確認してから、葬儀に持参しましょう。
御香典の包み方には細かい決まりがあり、慣れていないと手間取ってしまうかもしれません。御香典に関して分からないこと、気になることがあれば、お葬式のプロである葬儀社に聞いてみるのが安心です。
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